国家公務員という仕事

 例年、京都大学文学研究科からも、学部と大学院の双方で、国家公務員試験に合格し、公務員という進路を選ぶ人が現れる。地方公務員も加えれば、文学部・文学研究科の卒業生・修了生の進路では一定の割合を占めるのかもしれない。

 さて、先週の土曜日(13時~16時30分)は、日本学術会議哲学委員会主催のシンポジウムのため、東京大学(本郷キャンパス・法文1号館315教室)に出張した(わたくしは、日本学術会議連携委員としてこの委員会に所属している)。シンポジウムの題目などは、以下の通り。

題目:「国家公務員試験と人文教養」
プログラム:
・趣旨説明 (葛西康徳)
・「国家公務員採用総合職試験における「教養区分」について─現状と将来─」(猪狩幸子:人事院自裁局試験審議官)
・コメント「ギリシア哲学の見地から」(納富信留)
・コメント「中国思想文化の見地から」(小島毅)
・休憩
・ディスカッション

 全体的に活発な討論が行われ、興味深いシンポジウムであった。
 このシンポジウムの趣旨は、現在の国家公務員試験において、「行政課題の高度複雑化」「行政のグローバル化」「労働市場における人材獲得競争」という状況に対応するために、平成24年度から始まられた「教養区分」試験と、人文学におけるジェネラリスト養成という問題とを関連付けて議論し、政策提言を行うというものである。
 これは昨今の文系不要論との関わりでも、重要な意味をもっていると言える。

 今回は、「教養区分」試験を担当している専門家から詳しい話(試験の概要、意図、出題内容)を聞くことができ、よく考えられた丁寧な試験が実施されていることがわかった。経済区分や法律区分とは異なり、専門知識を問うことが主眼ではなく、深い教養と企画立案に関わる基礎能力について、時間をたっぷりとった試験が行われるという点では、文学部や文学研究科の学生も十分にチャンスがあるように感じられる。しかも、学部3年秋(教養区分は秋試験)に試験を受け合格するとその合格が3年有効であり、卒論に十分な時間を使うことが可能である。また、海外留学・研修のチャンスもあり、公務員となってから海外の大学で修士号などを所得することは、十分可能である(京大文学部・哲学基礎から外務省に入った学生にこのようなケースがあり、推薦状を書いた記憶がある)。
 公務員を志す学生ならば、教養区分での受験は考えるに値するものと思われる。詳しくは、人事院HPを参照。
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