現代キリスト教の思想動向5

 現代キリスト教の思想動向を論じる場合、一般の思想研究の研究動向を把握する場合と基本的には同じ方法が有効であることは当然である。たとえば、内容的に信頼できる研究書・研究論文において、取り上げられている研究に注目するという方法であり、この分野ならばこの研究者の研究は信頼できるという参照点を多く設定しておくことである。情報的には途中に別の研究者が入り間接的になる分、遅くはなるが、これが結局は一番確実で効率的ということも少なくない。
 たとえば、20世紀後半のプロテスタント組織神学における歴史や終末をテーマとした研究の動向を把握する手掛かりとして、次の文献が挙げられるであろう。

近藤勝彦
『救済史と終末論』(組織神学の根本問題3)
教文館、2016年。

はじめに
第一部 救済史について
 第一章 救済史観の起源と成立
 第二章 救済史観の変遷と危機
 第三章 救済史の神学史
 第四章 創造と時間
 第五章 世界史と救済史
 第六章 神の世界統治
 第七章 法の神的根拠
 第八章 救済史と伝道──ヴォルフハルト・パネンベルクの場合とその問題点

第二部 終末論について
 第一章 終末論史の概観
 第二章 ユルゲン・モルトマンにおける創造の時間と終末の時間
 第三章 死の終末論
 第四章 千年王国説──その真理と危険
 第五章 最後の審判とキリストの再臨
 第六章 宇宙的終末論
 

あとがき
人名索引

 もちろん、一つの研究書によって、思想研究の動向を把握するのは基本的に無理である。研究者の視点は限定されており、そもそも言及されているからといって、評価に値するとして取り上げられているとは限らないからである。特に、注において書名だけが挙げられる文献は、新しい研究についての情報として理解するのが当面は適当であろう。
 したがって、複数の異なるしかもそれぞれに信頼できる参照点をもつことが、研究動向・思想動向を把握する上では重要にあるのである。一人の研究者ができることは限られているが、視野を広くもつということについては工夫しだいてかなり改善可能なものと思われる。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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