文化の神学1

 わたくしは、キリスト教研究を主にティリッヒの思想研究として始めた関係で、学生時代より、ティリッヒ神学思想の特徴的な議論である「文化の神学」に関心を持ち続けてきた。それは、「宗教は文化の内実であり、文化は宗教の形式である」とのテーゼを元にして、文化現象を、しかも世俗化以降の文化状況を具体的に解釈する試みであり、それが射程に入れる領域は、芸術や思想から、政治、経済、あるいは科学や教育まで、人間の文化的営みの全般に及ぶことになる(実際、ティリッヒはこれらのうちのかなりの文化領域を扱った)。ティリッヒにおいて、特に集中的な分析がなされたのは、絵画・芸術、政治・科学といったところであるが、ティリッヒがあまりまとまった議論を行っていない分野にまで、しかもわたしたちの生きる現代において、同様の議論を行うということは、ティリッヒ研究者ならば、多くの人が考えるところであろう。
 こうした関心は、しばしば授業において展開されることになる。わたくしの場合は、政治、経済、科学は別にして、これまで文学をかなりの期間にわたって取り上げてきた(本務校ではなく、非常勤先でのことが多いが)。
 このような試みを本ブログを借りて、少しずつ整理してゆきたいと思う。これは「文化の神学」というタイトルの意味である。

 まずは、「映画」。どうして映画かと言えば、12月に授業で「聖書と映画」という内容の講義を行う予定になっていることもあるが、キリスト新聞で最近まで連載されていた、服部弘一郎さんの、連載「映画の中のキリスト教」が面白かったこと、そして映画が好きであるということが主な動機である。
 今回、取り上げるのは、次の文献である。

服部弘一郎+編集部編
『シネマの宗教美学』
フィルムアート社、2003年。

イントロ シネマの宗教美学とは何か (服部弘一郎)

1 宗教美学派の大補湯的シネアストたち
  カール・ドライヤー
  イングマル・ベルイマン
  ロベール・ヅレッソン
  ルイス・ブニュエル
  ロベルト・ロッセリーニ/ピエル・パオル・バゾリーニ
  マーティン・スコセッシ/ポール・シュレイダー
  現代への流れ

2 〈シネマの宗教美学〉の古典/現代的パースペクティブ
  キリスト教/聖書映画 (服部弘一郎)
  キリスト教図像学 (曽根幸子)
  〈神の死の神学〉派 (石原陽一郎)
  神秘主義派 (松本晴子)

3 〈シネマの宗教美学〉の周縁とアクチュアリティ
  政治/宗教対立、テロ、戦争 (鬼塚大輔)
  ポストモダン・スピリチュアリティ (井上リサ)
  宗教と映画音楽 (花岡千春)
  サブカルチャー系 (鬼塚大輔)

コラム
  上映禁止になった宗教系映画 (水原文人)
  宗教的メディア操作に気をつけろ! (鬼塚大輔)
  新たなるイコノクラスト? (北小路隆志)

  映画の中の聖なる身体・オブジェ解説 (服部弘一郎)
  宗教的名セリフ集 (服部弘一郎)

〈シネマの宗教美学〉年表
知っておきたい宗教の基礎知識
シネマの宗教美学を知るために
映画題名索引
執筆者紹介 

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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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