文化の神学7

 「文化の神学」における映画関係についての紹介は、ひとまず一段落として、次に音楽へ。音楽となると、キリスト教との関わりの歴史が長いだけにいくらでも取り上げるべきものがあり、選択に迷うところであるが、さしあたり、「聖書と音楽」として授業で取り上げた文献を中心に、紹介して行きたい。
 まず、「文化の神学」における音楽としては、歴史的な事例が問題になる。宗教との関わりにおける、あるいは宗教文化における音楽の文化史とでも言うべき問題領域である。今回は、やや意外なところから、次の文献。

阿部謹也
『物語 ドイツの歴史──ドイツ的とは何か』
中公新書、1998年。

 この文献では「音楽」という題材が、「間奏曲」として収録されている。
《間奏曲③ 中世の音の世界》
 グレゴリオ聖歌、音楽の区分(キリスト教以後:天上の音、人間界の音、地上の音。キリスト教以前:マクロコスモスの音、ミクロコスモスの音)
 「キリスト教によって大宇宙と小宇宙が一元化されてゆく過程で、かつて大宇宙に生きていると考えられてきた怪物たちの表象も変化を迫られた。・・・ロマネスク建築を飾る怪物たちは皆かつての異教の神々であった。それらが押さえ込まれて行く過程が中世なのである。」(63)

《間奏曲⑦ ドイツ音楽の世界と都市》
 バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト。
 「バッハにとっては教会音楽と宮廷音楽はそれぞれ別のものとではなく、一体であったということであり、それらが一体のものとして意識されえたのは、都市が音楽の環境であったためなのである」、「ドイツ観念論哲学と同じ環境の中でドイツの音楽は生まれたのである」(183)
 「音楽協会も身分や階級を超えた同好者の集まりであり、作曲家もその中に位置し、自らの音楽を小集団を超えて不朽化することができたのである。そこで現実には存在していない国家を超え、世界的な音楽になることができたのである。」(185)

 短い間奏曲であるが、文化の神学にとって考える素材を多く提供してくれる。
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