現代のキリスト教弁証学

 キリスト教神学は、弁証学としての性質を強く持つ学問ある。神学は、教会的、つまり、教会内に、その「生活の座」をもつだけでなく、常に「教会外」との関わりにおいて存在し展開してきた。したがって、組織神学を自らの学的専門領域をする研究者にとって、キリスト教弁証学は欠くことのできないものと言える。
 今回、紹介するものは、こうしたキリスト教弁証学の日本における最新の成果と言えるものである。

近藤勝彦
『キリスト教弁証学』
教文館、2016年。

はじめに
序章 弁証学の課題と方法

第一部 人間学の文脈におけるキリスト教の弁証
  はじめに
  第一章 近・現代におけるキリスト教の弁証の概観
  第二章 無神論の挑戦、その根拠と残された課題
  第三章 「人間の条件」(Condition humana)を求めて
  第四章 人間における神的なものへの憧憬

第二部 歴史の文脈におけるキリスト教の弁証
  はじめに──第二部の意味
  第一章 歴史の経験と歴史意識
  第二章 近代歴史哲学の成立と衰退
  第三章 歴史哲学のアポリア
  第四章 歴史の神学に向かって

第三部 近代世界の文脈におけるキリスト教の弁証
  はじめに──第三部の意味
  第一章 「近代世界とプロテスタンティズム」という問題
  第二章 マックス・ヴェーバーの問題提起
  第三章 エルンスト・トレルチの格闘
  第四章 パウル・ティリッヒにおける「プロテスタント時代」批判
  第五章 ヴォルフハルト・パネンベルクにおける「近代成立史」の問題
  第三部の結語

第四部 新しい日本の形成の文脈におけるキリスト教の弁証
  はじめに──第四部の意味
  第一章 「日本」の歴史性と「日本学」の方法
  第二章 日本の近代
  第三章 近代日本のキリスト教
  第四章 近代日本における思想の中の近代
  第五章 新しい日本の形成

第五部 世界共通文明の文脈におけるキリスト教の弁証
  はじめに──第五部の意味
  第一章 信仰と理性
  第二章 市民社会とキリスト教
  第三章 ヒューマニズムとキリスト教
  第四章 自然科学とキリスト教
  第五章 キリスト教と諸宗教


あとがき
人名索引

 600頁を超える著書であり、現在の日本におけるキリスト教弁証学を代表する優れた一冊と言える。また、近藤勝彦組織神学をいわば全体像を完結させるものにふさわしいものである(「あとがき」を参照)。
 もちろん、これで「弁証」が完結するわけではなく、これがいわば次の展開の起点になるべきものであるが、しかし、この著作と十分に取り組むことがその条件となる。
 わたくし自身、著者と比較的近い分野を専門にしている者として(これまでも著者の研究はしばしば参照してきた)、この大著についても、不満も存在しないわけではない。それは、特に第四部と第五部の内容に関わるものであるが、これについては、わたくし自身が自らの研究で議論を具体的に行うべきものであろう。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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