『図書』 から

『図書』2017.1 (岩波書店)が届きました。
 『図書』も新年号というわけです。年末でやや一息つけるものの、実質的には、学園祭で一週間程度授業が休みになるのとあまりかわらない状況です。卒論、修論の追い込みの学生は、年末年始もない状況でしょうか。

 今回から、高村薫「作家的覚書」がなくなったのか(?)、いつもよりも、読むところが一つ減った気がします。
 それはそうとして、冨原真弓「ボンベイで悠久の時間と諦念の深さをしる」、近藤和彦「EUと別れる?」や、三浦佳世「フェルメールのちょっとピンぼけ」など、なかなか面白いものはある。

 少し考えさせられたのは、次のエッセイ。
・「「読んじゃいないよ!」から「売っちゃいなよ!」へ」 (高橋源一郎)
 出だしは、「申し訳ありませんが、最初に「本が売れない」ことについてお話しします。僕も作家ですので、本が売れないと非常に困るわけです。」(28)
 そして、続いて、高橋さんが明治学院大学で担当している授業でのエピソード。現代の学生は、作家の名前や「新書」という本の形を知らないこと、しかし、読ませると、「よくわかっているじゃないか」と思わされること。

 わたくしも、たまに本を出版することがあるが、作家と研究者とは、大きく本に対する意識に差があると、思わされた。わたくしは、出版社には申し訳ないが、それほど、自分の本が売れないと困るという感覚はない。むしろ、自分の研究に一つのまとまった形を与え、同業の研究者+αの人々に読んでもらえれば、十分といった感じである。
 したがって、本が売れなくなったとの現状への危機感は、やや異なったものとなる。

 しかし、出版というシステムが今後どうなるか、それと関連した日本人の知の在り方(行方)については、研究者も作家と同様に、大いに関心のあるところである。
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