文化の神学19

 文化の神学の音楽の続きです。キリスト教において、音楽はあらゆる場所に存在しています。これまでは、中世からバロック、あるいは黒人神学といった範囲(日本にも言及)を扱ってきましたが、それぞれの教派も、その音楽の伝統を持っています。
 プロテスタントでは、なんと言っても発端のルターでしょう。ルターと讃美歌との関わりは有名かつ重要なテーマです。
 たとえば、徳善義和『マルティン・ルター──ことばに生きた改革者』(岩波書店)でも、「ことば」は音楽になることが触れられています。

徳善義和
『マルティン・ルター──ことばに生きた改革者』
岩波書店、2012年。

序章 ことばに生きる
第1章 ことばとの出会い
第2章 ことばが動き始める
第3章 ことばが前進する
第4章 ことばが広がる
  1 語るルター
  2 歌うルター
  3 生活の新しい姿
第5章 ことばを受けとめる
終章 ことばに生きた改革者

 第4章2の「歌うルター」は、次のような小見出しを含む構成です。
 ゆっくりした改革/賛美歌の始まり/コラールの歌ごえ運動

「礼拝改革、それに必要不可欠と思われた会衆の賛美歌の呼びかけ、創作から着手した。」(138)
「民衆運動としての宗教改革はこうして、社会生活のあり方そのものを変えるような、市民の「生活運動」として進行していくことになる。」(138)
「賛美歌はキリスト教の礼拝と切っても切れないものだが、教会に集まって人びとが歌う賛美歌を始めたのがルターであることを知る人は、必ずしも多くないようである。」(140)
「民衆が歌う賛美歌は、やがて「コラール」と呼ばれるようになっていった。コラールとはもともと、一四世紀頃、グレゴリアン聖歌を一般と区別して呼んだものである。しかし、宗教改革者によって民衆の歌う賛美歌が盛んになると、そちらを「コラール」と呼ぶようになった。」(143-144)
「ルターに始まるコラールは過去のものではなく、現代の音楽の中にも生きつづけている。ドイツでは現在も、コラールに関わる作曲や演奏によって活動する音楽家が少なくない。」(144)

 たしかに、コラールは、プロテスタントの宗教経験を支えるものとなる。「神はわがやぐら」。多く辿ると、旧約聖書の詩編へ、そしておそらくはユダヤ教のシナゴーグでの儀礼に遡るだろうか。
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