ルーン学の成立

 昨日は、ルーン文字についての文献を紹介した。ルーン学は、言語学(ゲルマン語学)にとどまらず、広範な学問領域に関連することは、その紹介からもおわかりいただけたと思われるが、追加として、近代ルーン学が成立に関わる論考を紹介しておきたい。それは、次の論集に収録の論文である。

ヒロ・ヒライ、小澤実編
『知のミクロコスモス──中世・ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー』
中央公論新社、2014年。

 この論集の3番目の論文として、次のものが収録されている。

小澤実「ゴート・ルネサンスとルーン学の成立──デンマークの事例」
「中世後期イタリアにおける古典語の世界への関心の高まりは、古典古代の文化の復興とその再解釈を中核とするルネサンスと呼ばれる知的運動を生み出した。」(069)
・・・
「イタリア・ルネサンスとは対照的にゴート・ルネサンスは、一六世紀のスウェーデンで生まれた。そのなかでもっとも重視されたのがゴート人の文字と考えられたルーン文字であり、ヨハンネス・ブレウスによって研究が端緒についた。他方でスウェーデンの陰に隠れるデンマークにおいても、イェリング石碑の再発見によってルーンに対する関心は高まることになった。」(089)
「コペンハーゲン大学の医学教授オラウス・ウォルミウス」
「『デンマークの古遺物』は、デンマークにおけるルーン学成立の記念碑であった。」(089)

 知的世界の相互交流はおもしろい。ネットワークは思いがけない展開を生み出しつつ、自らを紡ぎ出していく。

 
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