呪術と宗教研究

 呪術は、現代宗教学の古典的テーマと言えるものであり、これまで多くの研究が行われきた。現在の日本における宗教研究者がこの重要テーマについて、それぞれの専門分野から論じた論集が、刊行された。2015年に前巻が刊行されたものの下巻であり、一つの企画が完結したわけである。

江川純一・久保田浩編
『「呪術」の呪縛 下巻』
LITHON、2017年。

第一部 呪術概念の再検討
・「呪術」の魅力──「永遠のオルタナティブ」の来歴と可能性についての試論 (鶴岡賀雄)
・社会学年報学派の呪術論素描 (山﨑亮)
・「magia」とは何か──デ・マルティーノと、呪術の認識論 (江川純一)

第二部 事例研究:古代~中世
・メソポタミアにおける「祈祷呪術」と誓約──「宗教」と「呪術」と「法」 (渡辺和子)
・その声はどこから来るのか──腹話術の魔術性についての考察 (高井啓介)
・カバラーにおける神名の技法と魔術の境界 (山本伸一)
・ゾロアスター教神官マゴスの呪術師イメージ──バビロニア文化の影響と呪術師イメージの由来 (青木健)
・古代ローマにおける凱旋の儀式──トリウンプスに関する最近の研究動向を中心に (毛利晶)

第三部 事例研究:近現代
・近代ドイツ・オカルティズムの「学問」における「魔術」 (野口孝之)
・「呪術でない」祭儀──「秘義」としての聖体拝領 (寺戸淳子)
・19世紀合衆国における回心と「呪術」──チャールズ・G・フィニーの新手法擁護論とその批判を中心として (佐藤清子)
・近代ドイツにおける「奇跡=魔術」──奇跡とスピリチュアリズムの関係に見る〈秘められてあるもの〉の意味論 (久保田浩)
・ロシアにおける呪術概念の検討 (井上まどか)
・呪術としてのキリスト教受容──ミクロネシア・ポンペイ島を中心に (西村明)

編者あとがき (江川純一・久保田浩)
編者・執筆者紹介
『「呪術」の呪縛』上下巻 欧文目次

 上巻の事例研究が、アジアと日本であったことを考えれば、今回の事例研究を合わせて、かなり包括的な呪術のイメージを得ることが出来る。キリスト教にとっても呪術は重要な本質に関わるテーマである。クリスマス物語を見るまでもなく。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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