『学術の動向』 から

『学術の動向』 2017. 3 (日本学術会議)が届きました。
 今回も、二つの特集による構成で、そのほかに、「気候変動下のサンゴ礁研究の新たな成果と方向:日本─イスラエルワークショップ」について、Yossi Loya、新里宙也、Yoshimi Suzuki・Beatriz E. Casareto の三つの文章、そして地域会議の動向や提言要旨などが、掲載されています。

【特集1】力学の深化・統合化と展開
・「破壊の研究の深化と高度化」 (北村隆行)
・「メーキャップ化粧品の粒子デザインと評価、その現状と課題」 (山田純)
・「固体の共鳴振動理論と深化と展開」 (垂水竜一)
・「超音波キャビテーション気泡の力学の基礎と応用」 (安藤景太)
・「ナノスケールにおける熱フォノン輸送とその制御」 (塩見淳一郎)
・「自己組織化単分子膜の設計と再生医療への応用」 (榎本詢子・福田淳二)

 力学というと古典的なイメージで、現在どのような研究状況がイメージしにくいのが正直なところであるが、応用との関わりで広い展開がなされているということだろうか。

【特集2】若手生命科学研究者のキャリアパスについて考える
・「社会の多様な場での博士人材の活躍促進に向けて」 (塩崎正晴)
・「若手のキャリアパス:この9年と新しい流れ」 (中野明彦)
・「ポスドク問題の何か問題か」 (小林武彦)
・「製薬企業における生命科学研究者のキャリアパス」 (増田典之)
・「生命科学分野の知恵の流通を最適化するには」 (八代裕一郎)
・「卓越研究員候補者になって思うこと」 (三嶋雄一郎)
・「海外からの就職活動」 (川原田泰之)
・「学術フォーラムの成果と今後と課題」 (塩見美喜子)

 「若手研究者が安定して研究に打ち込める職の補足が我が国の研究者育成に深刻な問題をもたらす危険性」(山本正幸)という問題意識は、生命科学分野のみならず、人文科学思想系において、長年の抱き続けられてきたものである。しかし、最近の状況が、「1990年代に始まった大学院重点化政策によって、アカデミアが定職に吸収できる数以上に博士号取得者が生み出され、あふれた人々に対する職の手当がほとんどなされてこなかった結果」であるとすれば、それはいわば人災、制度・政策の結果である。とすれば、解決は、ここの研究者や指導教員の努力によってなされるべきレベルではなく、もっと本格的な対応が必要であることは自明である。しかし、その出発点は、今の現実以外にないのである。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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