文化の神学23

 文学へとテーマを移行しつつあったわけであるが、今回は音楽に話題を戻したい。昨日、京都コンサートホールで、マーラーの交響曲8番変ホ長調「千人の交響曲」を久しぶりに聴いた。ベートーベンの第9という同様に、大規模な合唱をついた交響曲で、第9以上の大作である。
 マーラーを聴くのは久しぶりであり、「千人の交響曲」は生では始めてであったが(CDではかなり聴いた作品である)、今回は、広上淳一指揮の京都市交響楽団の演奏も充実しており、8人のソリストも、合唱も聴き応えのある演奏であった。
 曲は、ラテン語の歌詞が歌われる、第1部「イムヌス(賛歌):来たれ、創造主たる聖霊よ!」と、ゲーテの有名な『ファイスト』の最終場がドイツ語で歌われる、第2部から、構成されている。
 これは西欧ヨーロッパの1000年におよぶ文化・伝統を背景したものであり(第1部の賛歌は9世紀のベネディクト会士、ラバヌス・マウルス・マグネンティウスの作)、まさにキリスト教文化のエッセンスが凝縮されたものである。マーラーの音楽は、まさに文化の神学の題材に相応しいものである。
 特に、第2部は、ゲーテの文学と組み合わせて味わべきものと言える。
アルト1が「サマリアの女」として歌う、ヨヘネ福音書四章や、ソプラノ3が「栄光の聖母」として歌う「Komm! hebe dich zu höhern Spären!」。そして合唱(神秘の合唱)が歌う、「Alles Vergängliche ist nur ein Gleichnis」、「das Ewig-Weibliche zieht uns hinan」など、聴くどころは多い。
 西洋のクラシック音楽を楽しみ、深く味わう上で、 宗教的感性は重要な意味をもっており、これは文化の神学の基盤となる。
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