学会動向から

 昨日は、日本宗教学会・理事会が開催され(東京大学、その前に庶務委員会)、東京に出張となった。
 今回の理事会の主要テーマは、9月の学術大会(東京大学、9月15日~17日)の内容(特に会員への案内について)に関わる事柄であったが、そのほかに、さまざまな委員会の報告とならんで、日本学術会議と日本宗教諸学会連合の活動の報告と協議が行われた。
 とくに、日本学術会議の報告としては、軍事研究禁止の声明や提言「学術の総合的発展をめざして─人文・社会科学からの提言─」について、といった重要な問題に並んで、「男女共同参画推進の取り組み」について、1月21日に開催された、公開シンポジウム「どうする実践! ジェンダー平等の報告─人文社会科学系学協会における男女共同参画推進に向けて─」が報告された。

 特に興味深かったのは、日本哲学会における「男女共同参画・若手研究者支援ワーキンググループ」の活動である。
 日本哲学会のHPから、一定のことを知ることができる。「男女共同参画」(ファイスブックス)について、「男女共同参画・若手研究者支援ワーキンググループより、ワークショップ「ポジティブ・アクションの根拠とは?」」という記事が見つかる。次のような趣旨である。

「ポジティブ・アクション……社会的・構造的な差別によって不利益を被っている者に対して、一定の範囲で特別の機会を提供することなどにより、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置(内閣府男女共同参画局)……。世界経済フォーラムによる「ジェンダー・ギャップ指数2015」の日本の値は145か国中101位であり、政治・経済・学術の全ての分野において男女間の格差は著しく、ポジティブ・アクションの緊急性が叫ばれている。他方で、就労や進学に関して女性だからという理由で優遇措置を取ることはかえって性差別的な処遇なのではないか、という批判もある。このワークショップでは、平等、正義、自由などについて思索を深めてきた哲学・倫理学の立場から、ポジティブ・アクションの根拠とは何かを問うてみたい。」

 昨日の日本宗教学会理事会では、日本宗教学会でも、「男女共同参画・若手研究者支援ワーキンググループ」に相当するものを立ち上げることが決まった。
 男女共同参画・若手研究者支援は、日本の諸学会の共通課題として認識されつつあることがわかる。

 これは、たとえば、学会誌の査読制度の改革にも関わる。現在、学会誌掲載論文は、査読者は投稿者が誰かがわかるが、投稿者からは査読者社がわからない、という仕方で進められることが多いが(京都ユダヤ思想学会はその点まったくユニーク)、それを、ダブルブラインド査読体制(査読者からも投稿者が誰かわからない)にするという試みである。イギリス哲学会では、これによって、女性投稿者の採択率が30%アップしたとのことである。

 こうした問題意識が共有できない学会は、将来的に衰退の道をたどることになるかもしれない。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR