台湾におけるキリスト教宣教

 東アジアのキリスト教の中には、台湾のキリスト教が含まれている。日本では、まだまだ研究の蓄積が少ない研究分野であるが、実証的な研究が少しずつ現れ始めていると言えるかもしれない。今後の研究の進展が期待される分野である。
 先月、この分野に関して、京都大学大学院教育学研究科に提出された博士学位論文をもとにした専門研究書が出版された。著者は、「アジア・キリスト教・多元性」研究会のメンバーでもある、若手研究者である。この研究成果を本ブログでも紹介したい。

三野和惠
『文脈化するキリスト教の軌跡──イギリス宣教師&日本植民地化の台湾基督長老教会』
新教出版社、2017年。

凡例

序論

第一章 ムーディにおける宣教師としての自己形成と台湾人との出会い
 ──グラスゴーから影化へと(一八九五─一九一四)
  はじめに
  第一節 宣教としての自己形成の過程
  第二節 宣教初期ムーディの英文著作と宣教事業
  第三節 白話字文書にみるキリスト教論──逆説的な救済の強調
  小括

第二章 台湾人信徒のキリスト教理解と教会形成
 ──林学恭、廖得とムーディとの関わり(一八九五─一九二七)
  はじめに
  第一節 道徳主義的自助努力と「中華」の「立身出世」──李春生のキリスト教論
  第二節 共感と共有、祈りの牧会──林学恭のキリスト教宣教実践
  第三節 独立した信仰者の確立を目指して──廖得のキリスト教論
  小括

第三章 ムーディによる宣教事業の捉え直し
 ──教会自治運動の中での宣教師の役割への問い(一九一五─三一)
  はじめに
  第一節 反帝国主義から問われる第一次世界大戦後のキリスト教宣教事業
  第二節 宣教後期ムーディの活動──台南神学校長として
  第三節 初代教会研究──教会史研究者としての
  第四章 伝道師給与問題への関与──イギリス人宣教師として
  小括

第四章 台湾人信徒による自治的宣教事業
 ──林燕臣・林茂生らによる「神の国」への呼びかけ(一九二八─三四)
  はじめに
  第一節 台湾人牧師・林燕臣と雑誌媒体による宣教事業
  第二節 台南神学校『校友会雑誌』にみる自治的宣教の構想
  第三節 「基督教文明」を問う──白話字雑誌媒体と林茂生の格闘
  小括

第四章 補論 台湾人信徒による神学的追求
 ──雑誌『福音と教会』にみる危機神学と全体主義批判(一九三三──三九)
  はじめに
  第一節  『福音と教会』に至る文脈──青年運動と教会改革運動を受けて
  第二節  『福音と教会』の自治的神学追求──人格的尊厳と社会正義を求めて
  小括

第五章 ムーディにおける「苦しみ」の神学
 ──「失敗」した宣教事業と社会正義をめぐる考察(一九三二─四〇)
  はじめに
  第一節 社会不正義と宣教の「失敗」──欧米キリスト教会の姿
  第二節 「苦しみ」への共感──個の経験を通した植民地紙幣への問い
  第三節 「苦しみ」の神学的問題と裁きへの警告
  小括

結論

あとがき


巻末資料
参考文献
地名索引
事項索引
人名索引  
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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