黒人神学の動向3

 講義などの関係で、最近、黒人神学について紹介してきたが、黒人神学に限らず「神学」を理解するポイントは、範囲を狭く取らないこと、問題連関を広めに設定することである。これは、「(人名)神学」といった議論を行う場合に留意すべき点である。もちろん、焦点にとする思想家について、その人物が書いた文献を第一文献として基礎にすることは当然ではあるが、研究者が自分のことを反省すればわかるように、人間の問題意識は、それなりの大きなコンテクストに置かれているはずであり、それは研究対象となる人物も同様と想定する方が合理的である。
 こうした点から、黒人神学も見る必要があるわけであるが、たとえば、次の論集・資料集は、きわめて重要なものであると言わねばならない。

Gayraud S. Wilmore and Jame H. Cone,
Black Theology. A Documentary History, 1966-1979,
Orbis Books, 1979.

General Introduction (Gayraud S. Wilmore)

Part  I: The End of an Era: Civil Rights to Black People
Introduction (Gayraud S. Wilmore)

Part II: The Attack on White Religion
Introduction (Gayaud Wilmore)

Part III: Black Theology and the Response of White Theologians
Introduction (James H. Cone)

Part IV: Black Theology and Black Church
Introduction (Gayaud Wilmore)

Part V:Black Theology and Black Women
Introduction (James H. Cone)

Part VI: Black Theology and Third World Theologies
Introduction (James H. Cone)

Epilogue: An Interpretation of the Debate among Black Theologians (James H. Cone)
An Annotated Bibliography of Black Theology (Naughn T. Eason)
Index

各部に収録の文書は上に記載しなかったが、第一部には、次のものなどが含まれる。
1.Black Power (Statement by the National Committee of Negro Churchmen)
6.Urban Mission in a Time of Crisis (Statement by the National Committee of Negro Churchmen)

第二部には、
7.The Black Manifesto
8.The National Committee of Negro Churchmen's Response to the Black Manifesto (Statement of the Board of Directors, NCBC)

第三部には、
14.Black Theology and "Christian" Theology (Paul L. Lehmann)
15.Why Black Theology? (Helmut Gollwitzer)

第四部には、
20.The Basic Theological Position of the National Baptist Convention, U.S.A.,Inc.

第五部には、有名な次の文書が、
41 .In Search of Our Mother's Gardens (Alice Walker)

そして、最後の第六部には、アフリカとの、マルクス主義との関わりに触れた次の文献が含まれ、ここにコーネル・ウェストやC・S・ソンが顔を出している。
42.Black Theology and African Theology (James H. Cone and Gayraud Wilmore)
52.Black Theology and Marxist Thought (Cornel West)
53.The Black Experience of the Exodus (Choan-Seng Song)

 1960年代と70年代、黒人神学は、ほかの多様な解放の神学とともに、キリスト教とその思想世界を駆け抜けた。その後、解放の神学は模索の時代、閉塞的な時代に突入する。 
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