学会から見える研究動向

 先週の土曜日は、東京大学で、9月の日本宗教学会・学術大会(東京大学)におけるプログラムの検討のために開催されたプログラム委員会に出席した。最大の問題は、200名を超える個人の研究発表を14の部会に配置する作業である。原案は、東京大学の実行委員会で作成いただいているとはいえ、かなり長時間にわたる会議となった(休憩を挟んで4時間)。
 発表者が200名を超え、部会が10を超えるとなるような学術大会を行う場合、多くの学会では、日本宗教学会における「プログラム委員会」に相当する委員会が存在し、それが開催校をプログラム面でサポートする体制になっているように思われる(日本基督教学会の場合は、こうした委員会が不可欠な大きさではない)。

 今回、話題になり、わたくしのも実感してのは、学術大会の研究発表の反映した研究動向である。これは、日本基督教学会の学術大会においても、あるいは、京都大学での研究指導においても、感じていることである。いくつかのポイントをメモ的にまとめておきたい。

・わたくしの学生時代からしばらくの間は、日本宗教学会ならば、第一部会(まさに現代宗教学の理論的なテーマを扱った並んでいた。ウェーバー、デュルケイム、ジンメル、マリノフスキー、レヴィストローズ、エリアーデ、オットー、フロイトなどの名前が目立った)が、近年いつころからか、こうした研究テーマが減少しつつある(今回の学術大会でもそうである)。また、日本基督教学会ならば、現代の組織神学関係のテーマを中心に、宗教哲学やキリスト教思想の古典的思想研究がプログラムで目に付いた。しかし、最近はこうした研究発表は少数派になっている。

・ここから、全体として、理論的思想的研究に対する若手研究者の関心が交代しつつあると分析できるか、これが問題である。少なくとも、宗教学にせよ、キリスト教学にせよ、学科・学問分野の形が変容しつつある、研究テーマが歴史研究やフィールド系研究を中心に多様化しつつあることは確かである。日本宗教学会などの場合に、以前のような部会の性格に即したプログラムの編成は難しくなりつつある。以前ならばどの部会にも入れにくい研究発表が増大しつつある。

・もし、この傾向が基本的な流れであるとあるとすれば、学会はそれに対応した体制を整える必要が生じる。具体的には、学会誌編集委員会とプログラム委員会の再編成である。現在の日本基督教学会のように、学会誌と学術大会研究発表とが緊密に連動している場合は、特にそうである。

・いずれにせよ、学術大会における研究発表の変遷・動向は一度きちんと分析しておく必要があるのではないであろうか。
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