フェミニスト神学、世界に展開する4

 前回は、フェミニスト神学の世界の多様な文脈への展開が、コロニアリズムの問題に突き当たることを、確認した。こうした問題状況の展開が比較的最近の動向であることは、次の二つの文献を比較するならば、ある程度了解できるだろう。

1.Susan Frank Parsons (ed.),
The Cambridge Companion to Feminist Theology,
Cambridge University Press, 2002.

2.Mary McClintock Fulkerson and Sheila Briggs (eds.),
The Oxford Handbook of Feminist Theology,
Oxford University Press, 2013.

 二冊とも、フェミニスト神学への便覧・入門といった性格の論集であり、フェミニスト神学の動向を整理して紹介するという意図のものである。もちろん、その編集方針は、それぞれ個性的であることは言うまでもないが、前者がキリスト教神学の問題連関内でのフェミニスト神学の位置づけに多くの頁を割いているのに対して、後者は、むしろ、フェミニスト神学の多岐にわたる文脈に注意を払っている。
 たとえば、後者の論集の第二部に収録された、以下の諸論考のような議論は、前者にはほとんど見られない。

Section II Changing Contexts
 4. Transethics FeministTheology of Asia: Globalization. Identities, and Solidarities (Namsoon Kang)
 5. Gynocentric Thealogy of Tantric Hinduism: A Meditation upon the Devi (Neela Bhattacharya Saxena)
 6. Globalization and Gender Inequality: A Contribution from a Latino Afro-Feminist Perspective (Maricel Mena López)
 7. 'The World Palpitates': Globalization and the Religious Faith and Practices of Latin American Women (Nancy E. Bedford)
 8. Globalization, Women, and Religion in the Middle East (Azza M. Karam)
 9. Interrupting 'Global-Speak': A Feminist Theological Response from Southern Africa to Globalization (Denise M. Ackermann)
 10. Theological Perspective on Mutual Solidality in the Context of Globalization: The Circle's Experience (Elizabeth Amoah)
 11. Woman Lost in the Global Maze: Women and Religion in East Africa under Globalization (Philomena Njeri Mwaura)
 12. Feminist Theologies and the European Context (Lisa Isherwood)
 13. Globalization the Second Wave of Colonization: Impacts on wahine Maori (Tui Cadigan)
 14. First Nation, Empire, and Globalization (Andrea Smith)
 15. Feminism, Inc.: Globalization and North American Feminist Theologies (Thandeka)

 こうした二つの論集の差異は、編集方針の差につきない、そもそもフェミニス神学の展開動向を反映したものであると解すべきであろう。それだけ、現代のキリスト教思想の動向は変化が大木と言うことである。
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