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日本・アジアのキリスト教1

 昨日は、現在、作成中の京都大学次年度シラバスについて紹介したが、その中で、演習「日本とアジア」として示した部分について今回、説明を行い、次回から、わたくしの研究室における関連文献紹介へと進みたい。

 この演習は、次のような趣旨で、行われている。
「日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ることは、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。この演習では、年度や学期を超えて、無教会キリスト教の思想家たちを順次検討してゆくことによって、近代キリスト教思想の重要な局面の解明がめざされている。」

 これまで、20年近くの間に、次のようなテーマを取り上げた。
 1.2001年度:矢内原忠雄、2002年度:内村鑑三
 2.2003年度:近代日本(天皇制・民族主義)とキリスト教
 3.2004年度:明治期の日本キリスト教における神学の受容と形成
     新神学論争、植村・海老名論争
 4.2005年度から、植村正久と日本のキリスト教的宗教哲学(学問的キリスト教思想)の系譜
   とくに、2006, 2007年度は、植村正久とその思想的展開(高倉徳太郎)
 5.2008年度から2012年度まで:波多野精一
 6.2013年度から、無教会キリスト教:矢内原、南原繁、内村
 7.2018年度後期から2019年度:賀川豊彦

 演習では、初回と第2回は、「日本・アジアのキリスト教」「取り上げる思想家」について、説明を行い、その後、テキストを読み進めることになるが、配付資料には、次のような説明と文献リストが掲載される。

<日本キリスト教史の現状>
①通史の試み
②個別教派・教団・教会の歴史編纂
③宣教師の伝記・書簡・公式の報告書
④人物研究(内村、新島、海老名、新渡戸、植村など)
⑤新聞・機関誌などの基礎資料の整備
 全体的に、日本キリスト教思想研究が、各地の研究グループレベルの議論を超えた、キリスト教研究としてまだ確立していない。
 土肥昭夫『日本プロテスタント・キリスト教史論』(教文館)

<文献>
 より包括的な文献表としては、http://tillich.web.fc2.com/sub9.htm、
      http://tillich.web.fc2.com/sub9a1.htmを参照。
・Barrett, Kurian, Johnson (eds.), World Christian Encyclopedia. vol.1-2, second edition
Oxford University Press 2001
・Scott W.Sunquist (ed.), A Dictionary of Asian Christianity, Eerdmans Publishing 2001

・国際基督教大学・アジア文化研究所編 『アジアにおけるキリスト教比較表』(創文社)
・日本基督教団出版局編 『アジア・キリスト教の歴史』(日本基督教団出版局)
・富坂キリスト教センター 『鼓動する東アジアのキリスト教』(新教出版社)
・鵜沼裕子 『史料による日本キリスト教史』(聖学院大学出版会)
・隅谷三喜男 『日本プロテスタント史論』、 『近代日本の形成とキリスト教』(新教出版社)
・出口光朔 『近代日本キリスト教の光と影』(教文館)
・土肥昭夫 『日本プロテスタント・キリスト教史』(新教出版社)、『歴史の証言 日本プロテスタント・キリスト教史より』(教文館)
・海老沢有道・大内三郎 『日本キリスト教史』(日本基督教団出版局)
・中央大学人文科学研究所 『近代日本の形成と宗教問題』(中央大学出版部)
・高橋昌郎 『明治のキリスト教』(吉川弘文館)
・古屋安雄・大木英夫 『日本の神学』(ヨルダン社)
・武田清子 『土着と背教 伝統的エトスとプロテスタント』(新教出版社)
・古屋安雄他 『日本神学史』(ヨルダン社)
・石田慶和 『日本の宗教哲学』(創文社)
・マーク・R・マリンズ『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』(トランスビュー)

・近藤勝彦 『デモクラシーの神学思想 自由の伝統とプロテスタンティズム』(教文館)
        (植村、内村、海老名、吉野作造、南原繁)
・佐藤敏夫『植村正久』(新教出版社)
・大内三郎『植村正久 生涯と思想』(日本キリスト教団出版局)、 『植村正久論考』(新教出版社)
・武田清子『植村正久 その思想史的考察』(教文館) 
・雨宮栄一『若き植村正久』『戦う植村正久』『牧師植村正久』(新教出版社)
・崔 炳一『近代日本の改革派キリスト教─植村正久と高倉徳太郎の思想史的研究─』(花書院)
・森岡清美『明治キリスト教会形成の社会史』(東京大学出版会)
・森本あんり『アジア神学講義』(創文社)
・徐正敏『日韓キリスト教関係史研究』(日本キリスト教団出版局) 
・柳父圀近『日本的プロテスタンティズムの政治思想──無教会における国家と宗教』(新教出版社、2016年)
・芦名定道『近代日本とキリスト教思想の可能性』(三恵社、2016年)
・柴田真希都『明治知識人としての内村鑑三──その批判精神と普遍主義の展開』(みすず書房、2016年)
・近藤勝彦『キリスト教弁証学』(教文館、2016年)
    第四部「新しい日本の形成の文脈におけるキリスト教の弁証」
・役重善洋『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム──内村鑑三・矢内原忠雄・中田重治におけるナショナリズムと世界認識』(インパクト出版、2018年)
・芦名定道『東アジア・キリスト教の現在』(三恵社、2018年)

 この演習は、2020年度、2021年度まで継続予定である。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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