浜田與助(1)

 先日の本ブログで、浜田與助に言及したが、改めて、浜田先生について紹介を行いたい。わたくしは浜田先生に直接お目にかかったことがないが、先生については、わたくしが学生時代にお世話になった平安教会の前牧師である小野一郎先生を通して、波多野宗教哲学の研究者ということ、またその人となりについても、何度かうかがったことがあり、間接的ながら比較的親近感を覚えていた研究者の一人であった。

 浜田先生と言えば、まず波多野宗教哲学の研究者、またその継承者として面に触れる必要がある。次に目次を掲載する『波多野宗教哲学』は、波多野宗教哲学研究の最初の体系的な研究文献(600頁を超える大きさ)であり、その水準は現在の波多野研究においても基本的には乗り越えられていない。きわめて詳細で緻密な研究である。今後本格的な波多野研究が試みされる場合には、この浜田先生の研究書の批判的な再検討が必要になる。


浜田與助
『波多野宗教哲学』
玉川大学出版部、1949年。

前がき
序に代えて
第一章 宗教の誤れる理解から正しき理解へ
  一、その時代的必然性
  二、その踏み越えし学問的段階
  三、神学の基礎としての正しき宗教哲学
  四、その性格と構造
第二章 正しき宗教哲学の体系的素描とその展望
  一、体系究明の順序
  二、宗教の研究と宗教的体験
  三、高次の実在主義
  四、課題としての人格主義的人間学
  五、人格主義の本質素描

第一篇 性格篇 
第一章 高次の実在主義即遡源的実証主義
  一、学問の性格規定
  二、高次の実在主義即遡源的実証主義
   I 高次の実在主義
   II 遡源的実証主義
第二章 人格主義即徹底的象徴主義
  一、その体系的必然性と歴史的必然性
  二、人格主義即徹底的象徴主義
   I 人間主義から人格主義へ(文化から宗教へ)
    A 言と人
    B 物と人
   II 人格主義即徹底的象徴主義
    A 言の三類型と人間の在り方
    B 象徴としての言と人格
  参考文献

第二篇 構造篇
第一章 構造解明の学問的必然性と構造の二根本構成契機
  一、性格と構造との内面的連関と学問性
  二、構造の二根本構成契機並びに構造の特異性と根源的記述
第二章 反省的自己理解に裏づけられた人間の根源的生体験の構造
  一、根源的文化的生体験
   I 歴史・文化の類型と根源的文化的生体験
   II  「もの」の分化と「文化」の誕生
   III 「もの」と「実在」
   IV 根源的文化的生体験の進展
    A 霊に憑かれた人から自我を賦与された人へ(原始人から文化人へ)
    B 文化の根幹「観想」
   V 根源的文化的生体験分化の上・下の二方向「認識」と「思索」
    A 認識とその構造
    B 思索(イデアリスムスと神秘主義)
     a イデオリスムス
     b 神秘主義
  二、人格的宗教的体験の構造(点描)
第三章 反省的自己理解に裏づけられた人間の根源的生体験と「時」の構造
  一、宗教及び哲学の理解「時」の問題
   I 宗教の理解における「時」の問題の重要性
   II 哲学における「時」の問題の重要性
  二、「時」の構造
   I 実在概念と「時」
   II 自然的時間性(根源的時間性)
    A その根源的本質的性格と構造の基盤
    B その根源的本質的性格と構造
     a 将来の根源性と「時」の不可逆性
     b 永遠の問題と根源的時間性
   III 文化的時間性
    A その本質的性格と構造との基盤
    B その本質的性格と基本的構造
     a 「過去」の観念性と自然的認識
     b 「現在」の本質的優位性と「時」の逆転
     c 文化的時間性の一般的性格並びに文化的生の情緒と帰趣
    C 永遠の問題と文化的時間性の限界
     a 客観的時間の無終極(「偽の永遠」)
     b イデアリスムスの哲学と神秘主義との無時間性(「偽の今」)
    D 文化的生の自己欺瞞の病根とその根治の問題(「文化から宗教へ」)
   IV 宗教的時間性の素描
   V 根源的空間性
   VI 死の問題
  参考文献

第三篇 本質篇
第一章 波多野宗教哲学本質論攷
  一、その学問としての本質
   I 学問性の問題
   II 学問究明の出発点
   III その学問性と特異性
   IV その学問性の本質的規定
    a ギリシャ古典哲学と波多野宗教哲学
    b 近世自然科学と波多野宗教哲学
第二章 人格主義の探究
  一、人格主義と波多野宗教哲学
  二、人格主義と擬人観並びに有神論
  三、波多野宗教哲学における人格の本質探究
   I 波多野宗教哲学の現代的意義
   II その人格の基盤の特異性
  四、道徳観としての道徳から実在としての道徳へ
   I 波多野宗教哲学に於ける人格の本質即実在性
II 人格の探究と文化の十字路
III 文化に於ける「もの」の媒介性
IV 文化の根源的悲劇性と人格探究の生の必然性
第三章 人格主義の宗教の本質と諸特徴
一、回顧と新しき出発点
  二、愛の立場
   I 愛と主体性の問題
   II エピチューミアとエロース
  三、愛の本質的構造と諸特徴
  四、神聖性・創造・恵み
   I 神聖性
   II 創造と恵み
  五、無・象徴(「言」)及び啓示
   I 無
    A 根本的「無」
    B 神秘主義的哲学的「無」
    C 秘義的宗教的「無」
   II 象徴と「言」
   III 啓示
第四章 時と永遠
  一、創造の恵みと永遠
  二、時と永遠
  三、有限性と永遠
第五章 体系的構想と将来の課題
  一、体系の基盤とその認識の特異性
  二、体系及びその構造と組織
   I 宗教の哲学的類型
   II 人間学と将来の課題
  参考文献
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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