浜田與助(2)

 今回、浜田先生のご遺族より寄贈された図書より、2冊目の紹介をいたします。

浜田與助
『人間の問題』
第一書房、1940年。

第一講 序説
  一 人間の問題の現代的意義
  二 人間の問題探究の地盤とその方法
  三 人間の位置

第二講 自然に於ける人間存在
  一 有史以前の人間像
  二 有史以前の人間の生活様式
  三 人間歴史の誕生
  四 人間存在の逆説的性格(創造性と被創造性)
  五 人間と風土(フォイエルバッハ人間学の現代的理解)

第三講 歴史・文化に於ける人間存在
  一 歴史・文化の中心と周辺
  二 人類の二発展形態
    a 生命綱(人間興亡の哀史) b 理想(偉人天才の悲劇性)
  三 文明と文化
  四 気候と文明
  五 人間身体の表現性「顔」と「手」
  六 文学に於ける人間像「成就せる生の秘密」

第四講 宗教に於ける人間存在
  一 宗教への通路
    a 外からの通路 b 内からの通路
  二 神話と宗教
  三 宗教の再把握と宗教の根源
    a 死せる宗教 b 生ける宗教 c 宗教の根源=神
  四 宗教体験の存在論的構造
    a 宗教の世界の根源性 b 宗教の世界の景観 c 宗教的「時」

第五講 現代と現代人の類型
  一 問題
  二 歴史の理解
    a 歴史の素朴的理解 b 歴史の哲学的把握 c 歴史の存在論的構造
  三 人間存在の二大原理と歴史(その核心と外殻)
  四 人間存在の運命
  五 現代の性格
    a 十九世紀の性格(危機胚胎時代) b 現代の性格としての機器の構造とその打開
  六 現代人の類型とその性格

補講 神話の現代的意義


 本書は、昭和15年の刊行、つまり、前回紹介の『波多野宗教哲学』(1949)より10年近く遡る、1940年の著書である。あとがきによれば、「六日会」(京都西陣某商店)の依頼で行われた5回連続の講演がもとになったものであり、人間存在についての存在論的人間学に基づく宗教哲学とでも言うべき内容になったいる。当然、マックス・ジェーラーへの言及があり、キルケゴール、ヤスパース、そしてハイデッガーが繰り返し取り上げられ、カッシーラーやシュヴァイツァーも論じられる。しかし、以外にも、あるいは奇異なことに、本書の内容や構成から当然期待される波多野精一への言及は存在しない。その意味では不思議な著書である。
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