京都大学基督教学会・研究発表会(第8回)

 昨日、恒例の京都大学基督教学会の夏の研究発表会(第8回)が開催された(会場は、京都大学文学部新館第6講義室)。この形になって8回目であるが、それ以前はキリスト教学研究室の談話会として行われていたものである。京都大学基督教学会は、キリスト教学研究室から独立した学会としての体制を整え、年二回の研究発表会(7月、12月)と、研究雑誌『基督教学研究』(現在31号まで刊行)の刊行を中心とした活動を行っている。

 京都大学キリスト教学研究室(専修)は、この京都大学基督教学会を含め、現代キリスト教思想研究会や教父学コロキウムなど、それぞれ独立した諸研究組織と密接に関わりを持ちながら研究・教育を行っている。

 さて、昨日の第8回研究発表会は、水垣渉先生の喜寿のお祝い(記念品の贈呈と先生のご挨拶)から始まり、続いて、次の二つの研究発表が行われた。60分程度の発表と30分程度の質疑応答という形式である。

・京都大学大学院文学研究科博士後期課程(キリスト教学)3回生の岩井謙太郎さんによる、「シュヴァイツァーにおける生への畏敬の世界観の構想──諸宗教の問題をめぐって」。岩井さんのこれまでの大学院での研究を踏まえ、また博士論文の構想の中での発表であった。

・西南学院大学教授の今井尚生さんによる、「不安の概念──メイおよびティリッヒの思索に基づく水垣理論の存在論的解釈と展開」。今回の研究発表会での水垣先生の喜寿のお祝いと特に関わりを意識した研究発表というわけではなかったが(結果的にはそのような意味をも持ちうるものであった)、水垣先生の「神」(訓覇・有福編『倫理学とはなにか』勁草書房、所収)における「習俗」「状況」をめぐる議論を「不安」の問題をめぐるティリッヒとメイの思想へと展開する試みであり、メイが扱う具体的な事例を使った議論の掘り下げがなされた。

 いずれの研究発表も充実したものであり、その後の質疑応答も活発に行われた。
 その後、学会の総会が行われた。ここまでの出席者は40名程度。

 研究発表会後、場所を移して、懇親会が行われたが、参加は20名を越える程度であったように思われる。遠方から来られた先輩方の近況などを交え、なごやかな会となった。

 近年の傾向として、比較的小規模な学会・研究会の活動が多く行われるようになっている(京都大学基督教学会はその中でも特に小さな学会である)。これまでは、6月7月といえば、学会の諸活動はそれほど意識することがない時期であったが、この数年は、毎土曜日に、様々な学会の研究発表・大会が行われ、複数の学会に関わり合っている場合は、その日程調節に困るほどの状況である。研究者の方で、自分の研究活動を全体として調節し取捨選択すべき状況にあるのかもしれない。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR