京都大学職員組合、そして本ブログの整理

 わたくしは、昨年の7月から今年の8月まで、京都大学職員組合(http://www.kyodai-union.gr.jp/)の文学部支部の支部長として、組合に関わってきた(もちろん、京都大学赴任以降、現在にいたるまで組合員ではあるが)。この点について、本ブログでは特に触れることもなったが、職員組合を取り巻く状況について若干の説明を行うと共に、「本ブログの整理」についてもお知らせしたい。

 近年組合を取り巻く状況は厳しいものがある。マスコミを含めた(あるいはそれを中心とした)大々的な反組合キャンペーン、特に組合に関わる不祥事のみのニュース化は、様々な社会的なひずみを生み出し、多くの国民の生活に跳ね返ってくる状況にある(「分断して統治せよ」との戦略)。
 その一つの典型は、無駄のカット、競争原理の導入、そして震災復興といった「大義」のもとに進められる、急速な合理化である。不合理なものを合理化するという一見反対できない理由で行われる合理化が、現実に何をもたらしたのかについてよく実態をみれば、次々の問題点が明らかになってくる。国民の生活(大学で言えば、教職員と学生、あるいは研究と教育)にとって納得できる「改革」なのか、痛みを押しつけやすいところに痛みを集中しただけではなかったのか。
 そもそも、公務員の数と人件費の圧縮は、行政サービスの縮小を生じ(不採算部門といわれるものの解体あるいは統廃合、民間への委託。しかし、このような仕事をどの民間が引き受けるのか。大学をはじめ社会の公的部門について、その無駄をなくすというのは反対しにくい論点ではあるが、そこに利益を生み出すという存在目的を賦与する議論は公的という言葉の意味がわかっていないと言わねばならない。利益とは「私的」企業の論理としては当然としても、また行政が企業の合理的な手法に学ぶということはあり得るとしても、しかし、行政は「私的」企業なのか)、最終的には、公務員給与引き下げは民間企業の給与削減へと連動せざるを得ないであろう。公務員も同時に国民であり、消費者なのである。

 また、大学で進行中の運営交付金の削減に伴う給与カット。これは京都大学でも重大な局面を越えつつある。当初の震災復興のために応分の負担を大学も大学人も行うべきだという根幹の議論が変質しつつある中で、給与カットのみが進行中という事態、これについては、この7月から京都大学職員組合の中央執行委員長に就任された、法学研究科の高山佳奈子さんが、そのブログ(http://kanakotakayama.blog.eonet.jp/)で明確に説明している通りである(合理的な議論を追求するはずの「大学」が別のメカニズムで動いているという実態)。

 大学は教員と学生のみによって構成されているわけではなく、多様な仕方で「大学」に関わりを持っている人々の共同体(それ自体の自律的原理を有している=大学自治)である。どこか一つの部分のみに特化した「改革」は、総体としての大学共同体を損なうことになり、長期的には、研究水準も教育水準も保持できないことになる。

 大学で研究や教育に関わることは、こうした現実の中で可能になっている。それに関心のある人もない人も、この「現実」の外に立つことはできない。本ブログも、「自然神学・環境・経済」をテーマとしてものではあるが、こうした大学とそこで研究を行うことに関わることにしばしば言及することになった。

 しかし、こうした議論の拡大は、ブログの内容を無用に拡散することにもなりかねない。そこで、この夏の期間に、ブログの内容を整理したいと考えている。本ブログは「自然神学・環境・経済」という本来のテーマを中心としたものにし、「所感」などのカテゴリであつかってきたものは、別のブログへ移行するという方向での整理である。それに伴って、これまで毎日新しい記事を掲載してきた本ブログの更新は週に数回程度に抑え、もう一つのブログと合わせて、毎日の更新という形態にしたいと思う。こうした移行の具体的スケジュールについては、今月中にはお知らせしたい。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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