日本宗教学会第71回学術大会、公開シンポジウム

 皇學館大学で、開催された日本宗教学会学術大会も、二日目までのプログラムが無事に終了した。昨日行われた公開シンポジウムについて紹介しよう。学術大会は明日の三日目で終了する。

公開シンポジウム「ためされる宗教の公益」
パネリスト
 稲場圭仰「災害時における宗教者と連帯の力─その意義と今後の課題─」
岡田真美子「宗教の公共力─自然とのネットワーキングを考える─」
 小原克博「祈りの公益性をめぐる議論─3.11によって照り出される「宗教」の境界─」
 鈴木岩弓「東日本大震災後の「絆」再興に見る宗教の”ちから”」
モデレーター
 櫻井治男
 
 全体としてよく考えられた企画であり、個々の発表も、3.11直後の議論からの深まりを確認することができる充実した内容である。

稲場の提起するのは、action researchは宗教と公共性に積極的に共感に基づいてコミットする宗教研究(ソーシャルキャピタルの担い手としての宗教の解明)であり、この宗教研究の理論的前提は、自然との積極的関わりを可能にする、自然環境とネットワークとそれに対する主体的関わり(=祈り)であり、それは岡田と小原において論じられた。その理論的前提はさらに実践的な状況への関与、つまり、action researchへと再度接続されねばならない。それが、鈴木の議論の位置づけである。実践から理論へ、そして実践へ。きわめて考えられた企画において、新しい宗教研究の可能性が提示された。
 
 宗教研究では、これまで近代的学としての実証性と理論構築が問われてきたが、それを具体化するものとして、新宗教研究、祭り、心、生命など様々な問題領域が問いとして立てられてきた。3.11以降の状況は、宗教の存在意味にうちて、そしてそれを問う宗教研究に対して、新しい可能性を開いたのである。
 
 個々の発表についてのいろ詳細なコメントがなされるべきものと思われるが、さしあたり、次の問いを記録しておりきたい。、
・宗教の普遍性は不特定多数を対象として問われるのか
・政教分離は原理の問題か運用の問題か
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