富・所有と聖書

 富と所有、そして健康という問題は現代人の最大の関心事であるとともに、聖書においても共有された問いであり、現代と聖書とを媒介しうる領域となっている。それだけに関連研究は少なくなく、経済が大きな難題を抱え込んでいる最近の状況は、こうした研究が盛んになる背景をなしている(本ブログもこうした問題状況を共有している)。今回紹介するのは、50頁に満たない小論であるが、資本主義経済を特徴付ける財産や富という「福音」と、聖書的見解とを対比して取り扱っている。

Gordon D. Fee,
The Disease of the Health and Wealth Gospels,
Regent College Publishing,2006(1985).

1. The 'Gospel' of Prosperity
2. The 'Gospel' of Perfect Health
3. The New Testament View of Wealth and Possessions

 本書の出だしは次のようになっている。

American Christianity is rapidly being infected by an insidious disease, the so called wealth and health Gospel --- although it has very little of the character of Gospel in it. (7)

 ここで指摘された疾病は、まさに現代の文明病とでも言うべきものになっており、リーマンショック以降に自覚されたのは、この症状の深刻さであった。これは、一定程度の生活水準を達成した(あるいはしつつある)社会において顕著であり、教会もかなりこの疾病に侵されている。アメリカは有名であるが、この夏に訪れて調査した韓国もかなり症状は進行しつつあるようである(韓国キリスト教会の保守化ということをしばしば耳にした)。この疾病は単純に悪とはいえない点、また現実的な解決が容易でない点などにおいて、やっかいである。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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