TPPと資本主義の問題

 TPP参加をめぐって、現在、選挙を控え政党間で様々な議論がなされている。TPPの影響は多岐にわたり(まさに包括的であり)、教育分野もその範囲外に存在するわけではない。特に注目すべきは、現代の資本主義が知識資本主義として特徴付けられる際の重要かつ象徴的な問題である「著作権」「知的財産」というテーマである。日本の情報産業(マスメディア、出版なども)にとってどのような未来(近未来)が考えられるのか、あるいはキリスト教関連の出版業界はどうなるのか、などなど、問題は具体的である。次の文献はこうした問題を扱っている。

福井健策
『「ネットの自由」vs.著作権──TPPは、終わりの始まりなのか』
光文社新書、2012年。

第1章 「SOPAの息子たち」
1-1 ネットを黒く塗れ!
1-2 欧州で燃え上がった反ACTAと「ネットの自由」
1-3 知財で激しく対立するTPP
1-4 TPP知財文書、流出する

第2章 TPPの米国知財条項を検証する
2-1 要求1:著作権保護期間の大幅延長
2-2 要求2:非親告罪化
2-3 要求3:法定賠償金
2-4 要求4:アクセスガードを含むDRMの単純回避規制
2-5 要求5:真正品の並行輸入に大幅な禁止権
2-6 要求6:プロバイダー責任条項
2-7 要求7:商標権の拡張
2-8 要求8:特許権の拡張

第3章 最適の知財バランスを求めて
3-1 ネットを治めるのはどの国の法律なのか
3-2 TPPが突きつけた「知財ルールの統一化」と「アメリカ化」
3-3 拡大する「フリー」と著作権の対立
3-4 「オープン─クローズ」のサイクルと、変化する収益モデル
3-5 二次創作大国・日本とグレー領域の「見える化」
3-6 著作権の正解は創作モデル・収益も出るによって変わる

第4章 情報と知財のルールを作るのは誰なのか
4-1 法律──機能不全に陥る著作権法、「著作権ムラ」批判と議員立法
4-2 条約──「ポリシーロンダリング」の誘惑
4-3 ネットの意志──「海賊党」が国会に議席を獲得する日
4-4 新たな立法者──プラットホームたち
4-5 まとめ──力の均衡による統治へ

あとがき
(巻末資料)TPP米国知財要求抄訳
主要参考文献
索引
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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