日本、アメリカ、中国の三者関係

 今日の日本を取り巻く世界状況が、単純化して言えば、日本、アメリカ、中国の三者関係と基本的な構図としていることは、おそらく多くの人が同意できるところであろう。中国の政治的経済的な台頭という動向において、またアメリカの相対的な後退の中で、そして中国とアメリカの経済的な相互依存の深化に伴って、日本はこれまでのアメリカ中心的なスタンスを維持できるのか、維持すべきかという問題状況である。
 しかし、この状況は最近急に起こったことではない。近代日本は常にこの基本的な構図の中にあったというべきではないだろうか。太平洋戦争後の日本において、無視され続けてきた、ビーアドと彼の『ルーズベルトの責任』を再評価する著書が刊行された。確かに、世の中にはインチキな謀略史観が渦巻いているが、謀略史観批判の裏には、しばしば偽造された歴史修正主義が存在するという点にも留意すべきかもしれない。歴史はおもしろい、しかしその真実をみきわめるのは難しい。

開米潤編
『ビーアド『ルーズベルトの責任』を読む』
藤原書店、2012年。

I チャールズ・ビーアド──人/学風/業績
序 チャールズ・ビーアドという巨人

<座談会>人/学風/業績──ビーアド博士をしのびて(一九五八年)
       蠟山政道、高木八尺、鶴見祐輔、松本重治、前田多門(司会)

II 『ルーズベルトの責任』を読む
序 祖父チャールズ・A・ビーアドについて(デートレフ・F・ヴァクツ)
 1 『ルーズベルトの責任』を読む
   『ルーズベルトの責任』を読むとルーズベルトの功績/国際政治からの解放──戦後世界史の予告/
   欺瞞に基づく日本尾永井戦後/日米関係をめぐる神話と現実/沖縄でこそ、読まれて欲しい本/
   「ルーズベルトの責任」と「日本の責任」/ふたつの民主主義/古武士ビーアド/
   大衆へのデマゴギーとマヌーヴァ/昭和の日本外交の拙劣さ/書かれた歴史の深層にあるもの/
   大政治家ルーズヴェルト

 2 同時代人によるビーアドの評価
   チャールズ・A・ビーアド──回想録/進歩主義の歴史家、チャールズ・A・ビーアド/
   歴史家、チャールズ・ビーアド/英国人の見方

III ビーアドの外交論と世界の未来
序 「大陸主義」は世界平和をまたらす積極外交である(開米潤)
 1 「大陸主義」とは何か──『アメリカのための外交政策』(一九四〇年)抄訳(チャールズ・A・ビーアド)
 2 ビーアドの衝いたアメリカの「独善」──アメリカはどこへ向かっているのか
 3 日米関係の核心は中国問題である
   忘れられたアメリカ人/帝都復興は市民の手で──ビーアドのメッセージ/
   日米関係の核心は中国問題である/危険な時代の幕開け/エピローグ

附 アメリカ史略年表
附 ビーアドの歴史関連著作の販売部数
附 ビーアドの著作一覧

執筆者紹介 

 以上の目次で、執筆者名は省略。 

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR