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近畿支部会当日

 今日は、日本基督教学会・近畿支部会で一日中、神戸となります(神戸国際大学)。これから、出発ですが、午後の講演について、受付で配布の冊子の資料を以下に掲載します(これとは別に会場でよりくわしいレジメを配布します)。

科学技術とキリスト教──原発・生命・環境
(1)「科学技術の神学」に向けて、問題点・論点 
 深刻かつ緊急の問い → 根本から考察を行う必要がある。
フクシマ・3.11と原発事故という状況で。
1.キリスト教の多様性:「キリスト教」という名称で分類される多様な立場や現象について、いかなる仕方で、たとえば「キリスト教から見た科学技術論」といった議論を行うのか。キリスト教を論じる起点をどこに設定すのか。特定教派や特定の思想家が、キリスト教という議論を単純に代表できないことは明かである。

2.科学技術の多様性:科学技術についても、キリスト教の場合と同様の多様性が存在する。古代と現代とを「科学」「技術」として論じることは可能か、可能としてもそれはいかなる仕方においてか。また、原子力、iPS細胞などの遺伝子工学、人工衛星といった多岐にわたる科学技術についていかなるアプローチをするのか。

3.科学技術の基本性格とは何か。科学技術は人間存在にとって何なのか。人間の条件と現代の科学技術との関わりをどうとらえるか。

4.特に現代において、科学技術は、自然科学の分野の事象であると同時に、経済的また政治的な事象でもある。その科学技術の実態をいかに理論的に把握するのか。環境と経済を自然神学という視点から統合的に捉えるという試み。

5.キリスト教は科学技術といかなる関係を構築すべきか。それを具体化するにはいかなることが必要か。

6.神の創造・贖いの働きは、人間の科学技術の営みといかなる関係にあるのか。神が全知全能で、善なる行為的存在であるとすれば、人間の営みは神の働きと無関係ではないはずである。

(2)科学技術と人間存在の両義性

(3)文献
A.ハンナ・アーレント『人間の条件』ちくま学芸文庫。原著1958年。
B.ティリッヒ「宇宙探検が人間の条件と態様に対して与えた影響」(1966(1963))
       (パウル・ティリッヒ『宗教に未来』聖学院大学出版会、42-58頁)
C.Ronald Cole-Turner, The New Genesis. Theology and the Genetic Revolution,
         Westminster/John Knox Press, 1993.
D.賀川豊彦『友愛の政治経済学』日本生活協同組合連合会、2009年。
  Toyohiko KAGAWA, Brotherhood Economics, Harper & Brothers, 1936.
E.金承哲『神と遺伝子──遺伝子工学時代におけるキリスト教』教文館、2009年。

<文献:キリスト教・震災・原子力>
1.新教出版社編集部編 『原発とキリスト教──私たちはこう考える』新教出版社。
2.日本基督教団救援対策本部編 『現代日本の危機とキリスト教──東日本大震災緊急    
      シンポジウム』日本キリスト教団出版局。
3.新免貢、勝村弘也著、関西進学塾編 『滅亡の予感と虚無をいかに生きるのか──
      聖書に問う』新教出版社。
4.『基督教思想』編 『原子力とわたしたちの未来──韓国キリスト教の視点から』
     かんよう出版。
5.森野善右衛門 『原子力と人間──3・11後を教会はどう生きるか』
          キリスト新聞社。
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Author:LogosOffice
 本ブログは、2013年度以降に、芦名定道を代表者として交付を受けた科研費による研究内容を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。この間、ブログのタイトルは、「自然神学・環境・経済」から、「自然神学・宗教哲学・自然哲学」へと変化したが、趣旨は一貫しており、かなり自由にさまざまな問題を取り上げきました。2021年4月より、このブログの作成者は、所属する大学が変わりましたが、当面は、同様の内容でこのブログを運営する予定です。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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