憲法「改正」論議について

 憲法「改正」といった問題が一種の現実味を帯びて論じられている。こうした動向に対して、『福音と世界』(新教出版社)で、夏の参議院選挙に向けた企画がスタートしたことは以前に本ブログで紹介したところである(2013.3.17)。5月号では、改めて、「自民党改憲草案を読む」が新連載として始まり、第一回目として、憲法学者・横田耕一さんの「「民意の反映」を理由とする改憲手続の緩和は妥当か」が掲載された。

 これは、現行憲法の改憲のための「三分の二以上」の要件(96条)を「過半数」に緩和するという自民党の『日本国憲法改正草案』の議論への批判的な論考である。議論の詳細は横田さんの文章を参照いただくことにして、ここで、確認すべきは、「三分の二以上」がいわゆる世界的な観点から見て厳しすぎるという論点は事実であるかどうかである。横田さんは、「米国の連邦憲法の改正には両議院の三分の二以上の賛成による発議の後、四分の三以上の州の承認が必要」との例を挙げ、それでも、「六十五年間だけでも六回の改正が行われている」と説明している。こうした「事実」が事実として報道されない日本の現実をどう考えるかが、おそらく現在の日本の大きな問題点であり、それは、当面はマスコミと政党の責任であり、より長期には教育の責任である。

 ちなみに、この改憲手続の緩和論の欺瞞性については、次の村野瀬玲奈さんのブログの記事を参照いただきたい。
「憲法96条の改正手続を緩和しようとする「根拠」の誤りを自民、維新、報道機関に投書しよう」

 どんな意見を表明するのかという次元の問題以前に、このレベルの事実認識は前提条件ではなかったのか。
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