研究成果刊行の季節

 4月から5月にかけてのこの時期は、毎年、前年度の研究成果を刊行し、関係の方々に冊子をお送りする作業が行われる。年度内に刊行できればよいのであるが、諸般の事情で、新年度にずれ込むことが少なくないのが例年であり、連休前に作業を完了できれば、よしとしなければならない感じである。というわけで、現在京都大学キリスト教学研究室で、あるいはそれと近いところで行われている二つの研究活動の報告論集を先日、関係の方々に担当者を通じてお送りいただいた。しかし、いずれも基本は電子ジャーナルとなっており、原則的には必要な方はサイトからダウンロードをお願いすることになる(冊子は必要最小限の刊行である。お手元にお届けできなかった方々には申し訳ありませんが、事情をご了解ください)。

 今回冊子が完成した研究報告論集は、いずれもすでに関連サイトと京都大学学術情報リポジトリに公開済みであり、ご覧いただいた方もおありとも思われるが、『アジア・キリスト教・多元性』11号、『キリスト教学研究室紀要』1号、と二つである。前者は、すでに10年を超える活動を継続中の現代キリスト教思想研究会に属する「アジア・日本のキリスト教と宗教的多元性」研究会の研究報告論集であり、今回は研究方法論という視点を意識したいくつかの論考が収録された(特集というわけではないが)。後者は、タイトルからおわかりなように、京都大学キリスト教学研究室の紀要であり、2012年度の第二演習(大学院生の研究発表演習)などの研究成果とキリスト教学専修において教員(常勤・非常勤)として授業担当されている方の論文とが収録されている。今回が創刊号となる。おそらく、一年後も同様の報告・お知らせを行うことになるものと思われる。
 なお、『キリスト教学研究室紀要』は、先日、本ブログでもご案内した京都大学基督教学会の学会誌『基督教学研究』が査読を経た論文を収録している学会誌であるのに対して、査読システムを導入していない「紀要」であるなどの点において、刊行の意図や役割が明確に異なっている。
 それぞれの内容は以下の通り。

『アジア・キリスト教・多元性』11号
― 論 文 ―
芦名定道「日本キリスト教思想史と方法論的諸問題
徐亦猛「中国の教会の宗教的儀礼と教会の建築についての本色化の動き――1920年代を中心に――」
金香花「聖書翻訳における等価概念の一側面――「God」の訳語を中心に――」
髙橋勝幸「教会の保守化を考える ――諸宗教間対話は進んでいるか――」
洪伊杓「韓国プロテスタント・キリスト教史の叙述方法論的考察――諸史観の比較分析と研究傾向を中心に――」
渡部和隆「内村鑑三の文学観 ――美の契機と真の契機からキリストへ ――」

― 研究ノート ―
岩野祐介「座古愛子のキリスト教理解と信徒伝道・続 ――座古愛子の後期著作 ――」
狭間芳樹「キリシタン研究の方法論的諸問題と比較思想の意義」

あとがき


『キリスト教学研究室紀要』1号
―― 論 文 ――
芦名 定道「波多野宗教哲学における死の問い」
津田 謙治「ハルナック『キリスト教の本質』に対するレオ・ベックの批判――二十世紀ドイツの教義史研究におけるキリスト教本質論の問題――」
渡部 和隆「海老名弾正、植村正久、内村鑑三――実験をめぐる諸概念の観点からの試論――」

―― 書評 ――
上原 潔「書評:ヨゼフ・ルクル・フロマートカ著『神学入門プロテスタント神学の転換点』」
洪 伊杓「書評:『基督教思想』編『原子力とわたしたちの未来 : 韓国キリスト教の視点から』」

研究室活動記録
あとがき
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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