ヒックと第5次元

 先日、「死と死者儀礼(7)」で、ヒックを取り上げ際に、The Fifth Dimensionについても言及した。その後、邦訳を入手したので、それについて簡単に紹介したい。邦訳タイトルは、意訳になっており、原書が何であるか、すぐにはわかりにくいようになっているが、訳が出版されたのは、原書出版に翌年、今から見ればかなり以前のものである。訳文などをあちこち見た感じでは、訳語(ナチュラリズム、中軸期など)に違和感がある場合もあったが、読みやすいこなれた訳と思われる(翻訳は難しい)。第5次元については、訳者後書きでも触れられているが、ティリッヒについて知っている者ならば、「深みの次元」を思い浮かべれば、それほどわかりにくくはないかもしれない。

ジョン・ヒック、林陽訳
『魂の探求──霊性に導かれる生き方』
徳間書房、2000年。

序 第五次元へ

第I部 宇宙の全体像
第1章 現代の視点:ナチュラリストの仮説
第2章 ナチュラリズムの悪影響
第3章 超越の窓
第4章 理解の鍵
第5章 批判的実在論の鍵

第II部 生の意味
第6章 宗教的な生命観
第7章 東洋の宇宙的楽観論
第8章 西洋思想

第III部 神と絶対者
第9章 神の体験
第10章 絶対者として経験される神

第IV部 宗教経験と神秘主義
第11章 変性意識の状態
第12章 宗教経験
第13章 ノリッジのジュリアン研究
第14章 ジュリアン神秘神学
第15章 神人合一の神秘主義:宇句的合一
第16章 神人合一の神秘主義:比喩的合一
第17章 闇の側
第18章 識別の基準

第V部 聖者の行進
第19章 現存する聖人
第20章 ガンジーの研究
第21章 真理の政治学
第22章 現代人にとってのガンジーの意義
第23章 瞑想する活動家

第VI部 現在と未来
第24章 知る必要のないこと
第25章 真の神話に生きる
第26章 死と死後

結論

訳者後書き


 全体として、ヒックの宗教論の全般が扱われている文献であり、後期から晩年にかけてのヒックの思索をよく示している。ただし、目次からもわかるように、きわめて多くの項目(章)が収録されており、それぞれのテーマに関する記述はやや簡略である。  
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