パスカル研究、プロヴァンシアル論争

 日本におけるパスカル研究は、哲学からフランス文学までにわたって、優れた研究を生み出してきた。それは、キリスト教思想研究とも無関係ではない。パスカルは、近代とキリスト教との関係をめぐる重要な場に位置しており、たとえば、有名なプロヴァンシアル論争は、キリスト教的修道性が近代以降何であり何でありうるのかを考える上できわめて重要である。
 本ブログでは、以前に、森川甫さん(現在、キリスト教学専修・大学院聴講生)のパスカル研究を紹介したことがあったが、今回は、パスカル研究で博士学位(大阪大学)を取得され関西学院大学で長年教鞭をとられたこの森川さんのパスカル研究の成果を取り上げたい。イエスズス会の『1656年度フランス管区年次報告書』という新しい資料の発見を含む(資料として収録)研究であり、パスカル研究に対し重要な寄与がなされたものである。

森川甫
『パスカル『プロヴァンシアルの手紙』 ポール・ロワイヤル修道院とイエズス会』
関西学院大学出版会、2000年。

まえがき

第1部 パスカルの精神形成
 第1章 パスカルとその時代
   第1節 時代の潮流
   第2節 科学的業績-自然科学者パスカル-
   第3節 社交生活
 第2章 決定的回心
   第1節 決定的回心をめぐる状況
   第2節 『メモリアル』「決定的回心」の記録-「喜びの涙」-
   第3節 『メモリアル』「決定的回心」の記録-「イエス・キリストへの服従」-
 第3章 決定的回心以後の作品
   第1節 『エピクテートスとモンテーニュについてのド・サシ師との対話』
   第2節 『要約 イエス・キリストの生涯』
   第3節 『幾何学的精神について』

第2部 『プロヴァンシアルの手紙』
 第1章 『プロヴァンシアル』論争
   第1節 論争の起源と経過
   第2節 『プロヴァンシアル』論争のテキスト
 第2章 『プロヴァンシアル』論争の主題と内容
   第1節 恩寵問題 『第1の手紙』~『第4の手紙』
   第2節 道徳問題 『第5の手紙』~『第10の手紙』
   第3節 道徳問題(再び) 『第11の手紙』~『第16の手紙』
   第4節 恩寵問題(再び) 『第17の手紙』~『第18の手紙』
 第3章 イエズス会の反応
   第1節 『1656年度フランス管区年次報告書』
   第2節 アンナ神父 イエズス会の論争家(1)
   第3節 ヌエ神父 イエズス会の論争家(2)
 第4章 パスカルの表現論
   第1節 『プロヴァンシアルの手紙』の表現形式
   第2節 表現技術
 第5章 パスカルにおける恩寵論-展開と傾向-
   第1節 恩寵論の展開
   第2節 恩寵論の源泉-アウグスティヌスとパスカル-
   第3節 恩寵論の源泉-アウグスティヌスとカルヴァン-

結論

補遺
 補遺1 カルヴィニズムとジェズイットとの論争
 補遺2 パリに生きたパスカル

資料
 1.Annuae Litterae Prouinciae Ad annum Christi 1656
2.上記手稿本をタイプしたテキスト
     
参考文献

あとがき

索引
 事項索引
 人名索引
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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