京都大学の今・職員組合の動向

 本ブログでもお伝えしたように、わたくしはこの7月より、京都大学職員組合の役職につくことなりましたが、本ブログのテーマである、社会・政治・環境・経済という問題との関わりで、「雑感」のカテゴリを使って、職員組合の活動の動向をお知らせしたいと思います。日本の大学がどんな状況にあるのか、このままで大学は大丈夫なのか、キリスト教研究も、その基盤を大学においている以上、無視できない問題なはずです。

 今職員組合で取り組んでいる問題の一つが未払い賃金の支払いを求める訴訟です。この点について、『京都民報』に組合副委員長の高山先生のインタビュー記事が掲載され(第2595号、2013.7.14。「論壇」の欄)、きわめて的確な説明がなされています。一部を省略し、以下に転載します。

国の違法・不当は認められない

                        京都大学職員組合中央副執行委員長 
                                        高山佳奈子
労働のルールに従わない賃下げ
私たちの基本的な主張というのは 合理的根拠のない賃下げは許せないという当たり前のことです。
 国立大学の教職員は、2004年に大学が法人化されたことによって、従来の国家公務員法制ではなく民間の労働法制が適用されることになりました。賃金労働条件は労使の交渉によって決定することになりました。ところが、京都大学は、国の「要講」を理由として、教職員組合や職員となんら合意することもなく、京大病院の看護師さんなど一部の職を除いて常勤教職員の賃下げを昨年8月1日から実施してきたのです。
 国は国立大学法人の労働条件・労・労使関係に介入することは許されません。大学としても国の「要請」はあくまでも「お願い」であり、義務でないため、拒否することは可能でした。労働者の最も基本的な労働のルールに従わない形の賃下げは、大学においても認めるわけにはいきません。

景気回復に逆行するもの
 国による賃下げ「要請」は国家公務員の賃下げ強行を契機としたものですが、この国家公務員の賃下げ強行そのものが違法・不当であり、景気回復に逆行する措置であり、容認できません。
 国は昨年 2月、東日本大震災復興を「口実」として国家公務員の給与を引き下げる「臨時特例法」を成立させ、同年4月から賃下げを強行しました。人事院総裁から「遺憾の意」が表明されるほど大幅な削減率でした。人事院勧告にもとづかない賃下げは労働者の団体交渉権などを定めた憲法28条や国家公務員法にも違反しています。
景気の問題と言えば、国家公務員をはじめ公務員や国立大学職員の数は多いですし、賃金を下げれば経済全体できると負のインパクトになると思います。政府は景気を高揚させようと言っているのに自ら足を引っ張ることになります。景気回復に向けてがんばっている民間の人たちの努力を無にする政策です。

 ・・・

国立大学の役割を守る
 今回の国の措置は、「裕福ではないけれど意欲と能力がある人が本当に好きな勉強が出来る」という国立大学の本来のあり方を変えてしまうものである、という点在強調したいと 思います。
国による賃下げ「要請」の狙いは、「国家公務員の給与削減と同等の給与削減相当額を算定し、運宮交付金等から減額をされたい」との安住前財務大臣の発言(昨年5月)にあるように、国が国立大学法人に拠出している基礎的基盤的経費である運営交付金を削減することにありました。
 
・・・

 今回の運営費交付金の削減は国の責務を放棄したものです。
 これによって大学はますます学費値上げをせざるを得なくなります。
 そもそも、欧米では授業料が無料であるところが多い。ところが日本の現状は、OECD加盟国の中で国内総生産に占める高等教育予算の割合は非常に低く、最低ランクです。さらに削減していとうというのが今回の措置です。客観的には「国立大学つぶし」に近いことが行われています。アジアの国々が教育に力を入れて人材を育成しているときに、日 本は先細りになってしまう。将来の国を支える人々が育てられるのかという危機が迫っています。亡国の施策と言わざるを得ません。

・・・
   」

 付け加えるべき論点としては、京都大学は給与削減を行わずに大学運営を行うだけの財政的基板を有していること、この削減された給与が東日本大震災からの復興にきちんと使われているかについて強い疑いが存在することなどが挙げられます。大学は、国家に対していかなる関わりあるのか、これは大学論のポイントであり、キリスト教思想における大学論もこの点を論じてきたはずです。この関わりには、国家の政策の批判的検討は含まれていないのか、ここが大きな論点となります。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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